ズッパ・イングレーゼ その3 フィリッポさんとの対談 前編

(注)今回は真面目な内容となっております。

前回の記事でズッパ・イングレーゼとはなにかという問いを保留いたしておりました。
ズッパ・イングレーぜは贅沢な部類に入るイタリアのお菓子です。

今回はこのズッパ・イングレーゼについての理解を深めるべく、トスカーナ伝統家庭料理研究家として活躍中のアモロソフィリッポさんと対談して参りました。

本文に入ります前に、この取材にとって大変有意義な示唆をいただきました大倉フーズ株式会社のK氏に心よりの感謝を捧げます。


それでは、今回この企画にご協力いただきましたアモロソ フィリッポさんを改ためてご紹介いたします。

Amoroso Filippo(アモロソ フィリッポ)
イタリアのフィレンツェに生まれ、料理研究家の父の下トスカーナ伝統料理を学ぶ。さらに学生時代には芸術の基礎を学び、伝統料理に芸術的な感性を加えた独自の料理を生みだしてきた。2003年、結婚を機に来日。2005年にAmorosoKato Club Italiaをたちあげ代表を務める傍ら、トスカーナ伝統家庭料理研究家としてイタリア料理講習会や講演会をとおしてイタリア文化を広めるための活動をしている。最近ではNHK他、民放等のメディアにも出演している。筑波学院大学の講師としてイタリア文化研究の講座を担当。また水戸建築工科専門学校ではイタリア語の授業を担当。フードソムリエHPより
http://www.food-sommelier.jp/profile/45836.html
では始まりです。

・・・・

キャラメル職人&社長:はじめましてフィリッポさん

フィリッポさん:はじめまして

キャラメル職人:本日はズッパ・イングレーゼについてお話を伺える機会をいただきましてありがとうございます。早速ではありますがご質問いたします、まずズッパ・イングレーぜの始まりについてお聞きいたします。

フィリッポさん:ズッパ・イングレーぜの由来については諸説ありまして、そのどれもがハッキリとしたものではありません。今のところ一番可能性が高いものとしてトスカーナ地方を訪れたイギリス人にたいして振る舞われたものが始まりではないかと言われています。とはいえ、文献が残っているわけではないのでこれも確実なものではありません。

社長:ズッパ・イングレーゼの名前の意味はズッパが浸す、イングレーゼがイギリス式のということだそうで、今度はこの浸すということについてお聞きいたします。スポンジ生地もしくはビスケット生地に浸すものとしてアルケルメスという洋酒を浸すのがトスカーナ式とのことですが・・・

フィリッポさん:アルケルメスは薬草を浸した伝統的なお酒です。特徴的なのは赤色を呈していることです。アルケルメスという名前もこの色から来ています。面白いものをお見せしましょう。

ここでフィリッポさん所蔵のアルケルメスを見せていただくこととなった。そこで我々が持参したアルケルメスを並べ比較することに。

色素の異なる2種類のアルケルメス 左:フィリッポさん所蔵 右:P301が持参

キャラメル職人:アルケルメスでもずいぶんと色合いが違いますね。

フィリッポさん:日本では法律の関係で販売できるアルケルメスが限られています。今回お見せした色の濃いアルケルメスはフィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラで販売されている伝統的なもので16世紀から続くレシピを基につくられています。*残念ながら、こちらは日本では手に入りません。日本では独占販売権を取得している企業がございますのでそちらから購入が可能です。
*(2015/06/25訂正)キャラメル職人の思い込みによる誤り。フィリッポさんより正確な情報を教えていただきました。


キャラメル職人:サンタ・マリア・ノヴェッラ・・・箱にFarmaceuticaと書かれていますが・・・薬と関係あるんですか?

フィリッポさん:サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局で売られているからなんですよ。とてもすてきな建物ですのでフィレンツェを訪れたときには是非足を運んでみてください。さて、この伝統的なアルケルメスを使ってズッパ・イングレーゼをつくると、スポンジ生地は薄い紫色に近い色合いを出します。キャラメル職人さんがお持ちしたアルケルメスだと、おそらくスポンジ生地は赤色もしくはピンクに近くなると思います。

キャラメル職人&社長:!!!

ここで、今回の対談に際し社長が用意したズッパ・イングレーゼをフィリッポさんにお見せしました。
赤色を呈するズッパ・イングレーゼ

フィリッポさん:色素の違いで大きな差が出るんです。

社長:アルケルメスはハーブの香りが強いですよね。これは日本人にはあまり馴染みのない香りだと感じました。トスカーナ人であるフィリッポさんが、今回私がつくったズッパ・イングレーゼをどう感じるのか率直な感想をお聞かせください。
まず全体を眺めたのち、各層について念入りに味見を行うフィリッポさん。キャラメル職人と社長の間に緊張が走る。
フィリッポさん:まず、アルケルメスの使い方についてですが、これは非常にいい。私にとって受け入れられるレベルです。これ以上アルケルメスを効かせると、トスカーナ人の私でも強すぎると感じてしまう。とても良い加減です。

社長:ありがとうございます。今回、日本で手に入る伝統的なレシピと呼ばれるものでズッパ・イングレーゼを作りましたが、砂糖を使いすぎているのではないかと感じましたが、その点はいかがでしょうか?

フィリッポさん:カスタードクリームについて甘すぎだと感じました。もっとグラニュー(=グラニュー糖)は少ないほうが良いでしょう。イタリア菓子は甘さが強いと思われがちですが、必ずしもそんなことはありません。あともうひとつ、このズッパ・イングレーぜで重要な点があります。

社長:重要な点・・・

実際の問題点が具体化していくにつれ、社長とフィリッポさんの議論が白熱していく・・・
つづきは次の記事で

ではでは〜

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